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テクノロジーアワード

 「楽天テクノロジーアワード」は技術の発展、WEBの発展に貢献した方々の栄誉をたたえ、楽天からもエールを送るべく、2008年より開催しているアワードです。 3回目となる本年は、以下の3名の方が受賞されました。 受賞者の皆様、おめでとうございます。 皆様の益々のご活躍を心から祈念いたします。

 受賞者の皆様からコメントをいただいておりますので、是非ご覧ください。

 

 (プレスリリースはこちら)

  • 金賞

    平林幹雄 氏

    受賞理由
     Tokyo Tyrant, Tokyo Cabinetなどの軽量データベースサーバやライブラリを多数開発し、オープンソースとして公開。 以来、様々なWebサービスのバックエンドで利用され、日本のテクノロジーの発展に大きく寄与した。 また、最近では海外からも高い評価を受けており、今後のさらなる活躍が期待される。
    コメント

     私が作る製品は、非常に地味なものばかりです。 特にDBMというジャンルのソフトウェアは、キーの文字列を指定するとそれに対応する値の文字列が出力されるというだけの機能しかありません。 それ単体でユーザを楽しませたり収益を上げたりすることは到底できない、いわば裏方中の裏方といった存在です。 そのような地味な活動が評価されて、光栄な賞をいただけたことを、とても嬉しく思います。

     OSSプロジェクトを成功させるコツのひとつは、長く続けることでしょう。 私が現在注力している「Kyoto Cabinet」は、2003年頃から作り始めた「QDBM」から「Tokyo Cabinet」を経た3作目のDBMなのですが、実に7年も同じようなものを作っていることになります。 先端的な技術を適用するでもなく、単に自分にとって使いやすいものを追求していたら、いつの間にか多くの方々に使って貰えるようになっていた気がします。 特に突出した何かを発明したわけでもない私がこうして賞までいただけたのですから、継続って大事だなとしみじみ思います。

    プロフィール
     富士ゼロックス、ミクシィを経て、現在は個人事業として各種OSSの開発を行っている。最新作はKyoto CabinetおよびKyoto Tycoon。http://fallabs.com/
  • 銀賞

    玉川竜司 氏

    受賞理由
     Hadoopを利用する技術者にとって必須となっている名著「Hadoop」の翻訳を精力的にすすめたことにより、早期に質の高い定番和書の出版が実現。 日本におけるHadoopの普及やコミュニティの発展に大きく貢献した。 大阪でのHadoop勉強会の立ち上げにも参加し、その情熱的な活動を高く評価する。
    コメント

     ありがとうございます。とても嬉しいです。 日本では、HadoopやNoSQLが大変盛り上がっていると言われていますが、それに多少なりとも貢献したと評価いただけたのであれば、身に余る光栄です。 グローバル化が進む現状を考えれば、そもそも翻訳が必要なくなり、日本人の技術者も当たり前のように英語を読み書きする日が来なければならないと思っていますし、良かれ悪しかれ、そういう方向へ世の中は進んでいくでしょう。 とはいえ、私たち技術者には、世界を見渡せば面白い技術がたくさんあります。それを学び、コミットしていく姿勢さえあれば、言葉の壁などは軽やかに越えていくことができると信じています。 微力ながら、今後ともそのための手助けを翻訳という形でやり続け、わくわくするような面白い技術を紹介していきたいと思っていますので、ご期待ください!

    プロフィール
     ソフトウェア技術者として働くかたわら、技術書の翻訳を行っている。 主な訳書に「Hadoop」「セマンティックWebプログラミング」「プログラミング Google App Engine(予定)」「プログラミング Windows Azure(予定)」(オライリー・ジャパン)。
  • Ruby

    園田裕貴 氏

    受賞理由
     新しいRubyとして、Rubyプログラマの注目を集めるRuby1.9系統のリリースマネージャとして活躍。 2010年8月18日にリリースされた、Ruby1.9.2のリリースへ大きく貢献した。 その貢献を高く評価する。
    コメント

     長年にわたり開発されてきたRuby 1.9もどうにか仕様が収束しつつあり、先日はRuby 1.9.2のリリースに成功しました。 この度は受賞を大変光栄に思います。これからも他のコミッタたちをサポートして継続的なRubyのメンテナンスに関わっていきたいと考えています。

     まだRuby 1.8系統をお使いのユーザーも多いのが現状ですが、Ruby 1.9は1.8に比べて大幅に機能が向上しており、安定した運用や1.8からの移行に関するノウハウもまた少しずつ蓄積してきています。 どうぞこの機会にRuby 1.9をお試しいただければ幸いです。

    プロフィール
     園田裕貴(Yugui)。Ruby 1.9リリースマネージャ。株式会社スケールアウトにて大規模サイト向け広告配信エンジン/入稿・在庫管理システムの開発に携わっている。著書に『初めてのRuby』(オライリー・ジャパン)がある。サイトはhttp://yugui.jp