テクノロジーアワード

WEBテクノロジーの発展へ貢献した4組が受賞
技術の発展、WEBの発展に貢献した方々の栄誉を讃える「楽天テクノロジーアワード」。2回目となる本年は、以下の4組の皆様が受賞。受賞者には記念のトロフィーと、楽天スーパーポイントが贈られた。是非皆様のコメントをご覧ください。

尚、2008年の受賞者についてはこちらをご覧ください。
  • 金賞

    丸山 不二夫 氏

    受賞理由
    自身で開講している「丸レクセミナー」では長く先端技術の研究会・勉強会を行っており、 特にクラウドに関しては、技術的な要素やアーキテクチャとしての 要件モデルを明らかにし、単なるバズワードでない技術研究をすべ き領域として再構成された貢献は大きい。 2009年に入り、IT業界にMapReduceブームが起きたのも、広く勉強会を展開されていたこと が大きく、日本のIT業界の底上げに長く貢献している。
    コメント
    これまで、僕は、20年間稚内に住んでいました。ある意味、田舎にひきこもっていたのですが、今年から東京で始めた活動が、こうした評価を得たのは、とても嬉しいです。東京に来て、改めて思ったのは、コミュニティの活動には、オンラインだけでなく、フェース・トゥ・フェースのコンタクトがとても大事だということです。情報は、結局は、生身の個人に受け止められて、はじめて現実的な力になります。僕がやってきた活動は、基本的には、新しい技術とそのヴィジョンを、開発者と企業に、継続的に伝え広めることです。ただ、技術の受容の現場では、今までの大学での教育・企業内での研修・ベンダーの資格教育とは、別の流れが底流として成長しつつあるように思えます。個人と個人のコミュニケーションをベースとして情報を共有し合う勉強会やコミュニティが、大きな意味を持っているという認識が、自然に大きく広がっています。僕らITの世界に生きるものは、もちろん、国や企業や地域といった従来のコミュニティに帰属しています。ただ、その中で、僕たちは、ネットワークの力を借りながら、様々のコミュニティに多重に帰属するという、新しい生活スタイルを、ある意味必要に駆られてなのですが、身につけ始めているのかもしれません。IT技術の進化は速く、新しい技術が、これからもどんどん登場するでしょう。同時に、こうした変化の激しさは、僕らが僕ら相互の関係性を柔軟に変化させて、僕らの能力をフルに花開かせるための試練なのかもしれません。そうした意味では、ITの世界で働く我々こそが、21世紀が必要とする新しい規範意識を、社会にもたらす可能性があると夢想しています。
    プロフィール
    東京大学、一橋大学大学院卒業。早稲田大学大学院情報生産システム研究科客員教授。「丸山不二夫レクチャーシリーズ」では、Javaを始めとする最先端技術を紹介する場として有名IT企業の後援を集め、好評を博している。中国などアジア諸国でのIT技術の普及にも尽力。SOA/Javaエバンジェリストとしても知られている。日本Androidの会会長も務める。
  • 銀賞

    「4Gbpsを超えるWebサービス構築術」

    伊勢 幸一氏・池邉 智洋氏・栗原 由樹氏・山下 拓也氏・谷口 公一氏・井原 郁央氏

    受賞理由
    書籍「4Gbpsを超えるWebサービス構築術」で、インフラの幅広い技術領域をカバーし、大規模サイト構築に必要な全体設計の知見を公開。 包括的なWebサービス構築のノウハウを示し、技術者だけならずWeb関係者の間で注目を集めた。
    コメント
    改めて、若い人たちと、語り学び合う活動を、今後も推進したいと思っています。「4Gbps本はライブドアとして会社を設立して以来、初めて出版する技術書です。汎用的なオープンソースの利用方法ではなく実際のライブドアサービスにおける実装を元に執筆しました。中には数週間前にローンチしたサービスのコードをそのまま掲載した部分もあります。正直、読者に受け入れられるかどうかドキドキものでしたが、楽天テクノロジアワードという賞までいただき、執筆者一同、大変光栄に思っています。今後もOpen & Shareの精神に基づき、業界全体の活性化に貢献していきたいと思います。」

Ruby

  • 「SKIP」開発チーム

    倉貫 義人氏・松村 章弘氏・前田 直樹氏・黒田 雄一氏・金岡 徹氏

    受賞理由
    自社内で開発したSNSソフトウェア「SKIP」をオープンソース化して公開。開発コミュニティに貢献した。 SKIPは、Rubyとアジャイル開発を採用し、ユーザーからのフィードバックを受けて改良を繰り返してきており、 その経験を、様々な活動を通して広く世のエンジニアに普及。企業内コミュニティの活性化を促進した。
    コメント
    楽天テクノロジーアワード「Ruby賞」頂き、まことにありがとうございます。SKIPは、社員を元気にすることを目指した社内SNSです。より多くの会社を元気にしたいという思いでオープンソースにして、活動を続けてきました。その活動を認めて頂けたことを、コミッタ一同大変嬉しく、そして励みになりました。今後も、SKIPのオープンソース活動を通じて、多くの方々との交流や価値の交換を図っていければ、と思います。
  • 古橋 貞之 氏

    受賞理由
    分散key-valueストレージ「kumofs」をはじめ、Linuxのカーネル領域にも踏み込んだミドルウェアシステムを多数開発している。 未踏ユースにも選ばれ、InteropTokyo 2009でもグランプリを受賞 するなど、現在学生ながら今後の活躍が最も期待される1人である。
    コメント
    思いもかけずこのような賞をいただいたことに驚いているとともに、光栄に感じております。今までには本当に多くの方にご支援いただいており、大変感謝しております。ときに日本全国、世界を見渡すと、このようなシステムの研究開発をしている方はたくさんいます。私程度はまだまだ新参に過ぎません。これからも新しいチャレンジをしていくと共に、自信と誇りを持ちながら、ひたすらに研究開発を続けていきたいと思っています。